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夏目漱石「坊ちゃん」

夏目漱石「坊ちゃん」②

「坊ちゃんと清」坊ちゃんの家付きの下女で、坊ちゃんのことを無条件にかわいがる「清」。私はおばあちゃん子であったためか、「清」のような老女にはついグッと感情移入してしまう。(『銀の匙』(中勘助)の「伯母さん」にも弱い。)「清」は結婚もしておら...
夏目漱石「坊ちゃん」

夏目漱石「坊ちゃん」①

「坊ちゃんという語り手」中学二年生で初めて習う小説が夏目漱石の「坊ちゃん」である。全文ではなく、坊ちゃんが教師になるために松山へと向かうシーンまでの少年期を習う。生徒たちとは歳が近いことと、「二階から飛び降りる」「無鉄砲さ」のインパクトもあ...
読書感想文

読書感想文① 辻村深月「かがみの孤城」

生徒から本を借りた。聞けば2018年の「本屋大賞」らしい。流行にうとい私は一切知らない本だったので、このように貸してくれるのはとても嬉しい。(まあ、日本語の教師として「本屋大賞」はチェックすべきでしょう…)せっかくなので感想を書こうと思う。...
未分類

壺井栄「坂道」

壺井栄「坂道」「個人の誇りと社会の問題」「二十四の瞳」で有名な壺井栄の小説、「坂道」。戦後の苦労を人情でのりこえる庶民の強さ、明るさを描いた作品だ。ちなみに、朝鮮学校の生徒たちにとって、壺井栄は小学校6年生で習う、壺井繫治(詩「あいさつ」)...
閑話休題

閑話休題①「本の貸し借り」

生徒から「本を貸してください!」と言われるのはとても嬉しい。けれども、何を貸すのかとても悩む。せっかくだから良い本を貸したいし、読んで「良かった!」と言われたいし、正直な欲をいうなら「人生が変わるきっかけになった!」まで言われたい(笑)。な...
志賀直哉「清兵衛と瓢箪」

志賀直哉「清兵衛と瓢箪」②

「作者からのネタバレ」「清兵衛と瓢箪」の冒頭部を少し長いが引用したい。「これは清兵衛という子供と瓢箪との話である。この出来事以来清兵衛と瓢箪とは縁がきれてしまったが、間もなく清兵衛には瓢箪に代わる物ができた。それは絵を描くことで、彼はかつて...
志賀直哉「清兵衛と瓢箪」

志賀直哉「清兵衛と瓢箪」①

「清兵衛という少年」志賀直哉は「小説の神様」と呼ばれている。短編は読みやすく内容もあらすじを追っていくだけなら簡単なものが多い。しかし、人間なら生きているうちに必ずどこかで感じる疑問や理不尽さがその中に詰め込まれている。そしてそれが、冬の日...
芥川龍之介「蜘蛛の糸」

芥川龍之介「蜘蛛の糸」③

「作者の位置」「蜘蛛の糸」を読んで生徒たちに感想を言わせると、「~なのでございましょう」「おぼし召されたのでございましょう」などの文体が気になる、という生徒が表れる。確かに今までの小説にはない独特の言葉遣いである。生徒にどのような特徴がある...
芥川龍之介「蜘蛛の糸」

芥川龍之介「蜘蛛の糸」② 

「犍陀多が蜘蛛を助けた理由=お釈迦様が犍陀多を助けた理由」「蜘蛛の糸」を読んだ後、生徒に疑問に思うことを尋ねる。すると、必ず出てくるのが、「犍陀多は大泥棒なのになぜ蜘蛛を助けたのか」という問いだ。犍陀多は「人を殺したり家に火をつけたり、いろ...
芥川龍之介「蜘蛛の糸」

芥川龍之介「蜘蛛の糸」①

犍陀多は「悪」なのか芥川龍之介の代表作である短編、「蜘蛛の糸」。まずはあらすじを簡単に述べておく。悪事を働き地獄に落ちた犍陀多(カンダタ)が「蜘蛛を助けた」という一つの善行のため、お釈迦様によって、地獄から抜け出るチャンスを与えられる。彼は...
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